「タクシー狂躁曲」を読み終えて
わたしは、いっかいの日雇い労働者です。(親会社は在日が経営している。あまりにも労働条件が悪く、3K職場)。在日をはじめ社会から阻害された労働者の働く職場、タクシー会社。そこで懸命に生き労働者の姿が描かれているようです。私も今の職場から転職を考える日々を送っています。その選択肢の一つがタクシー会社でしたが、あまりのきつい労働現場が描かれており、私の転職の選択肢の一つが消えてしまいました。
在日二世のヤン・ソギルは痛烈に日本社会を批判している。偽善者ぜんとした日本人も登場しない。在日朝鮮人を抑圧し差別する日本の労働者階級に対する糾弾の表現ではないか。
私たち日本人は、小泉の靖国参拝、北朝鮮の拉致問題をはじめとする排外主義と抗して、労働者としての国際主義的連帯を持って応えなければならないと思う。
- 作者: 梁石日
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/02
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「タクシー狂躁曲」第一章「迷走」を読み終えて
ヤン・ソギルは、詩人です。なかなか気持ちいいですね。日本には、あのような詩人は、いません。日本の恥部東京を詩で表現してます。詩人でありながらリアリストでは、ないでしょうか?いや、人間的という表現が適しているでしょう。日本の過去の歴史を振り返らない我々日本人のおろかさが、「在日」として生きる。「主人公」の苦悩を強いているような気がします。
私も若い頃親のすねをかじって学生をやっていた頃の東京が描かれていました。なつかしく感じました。人間にとってよそよそしい存在、日本の首都東京。日本の労働組合は、民族差別撤廃をかかげなければなりません。労働者には、国境はありません。「主人公」がうちふった赤旗は、労働者の血の色です。民族を問わず、血は赤いのです。「万国の労働者団結せよ!」この言葉は、理想でもなく実現されなければならない。今日も生きてる言葉です。
ヤン・ソギルの最新作カオスの感想
期待に胸を膨らませて「カオス」を一気に読み終えました。大変面白く読ませてもらいました。
しかしカオスという哲学用語からして、かなり奥の深い作品かと思っていましたが、ハードボイルドかと思い読み進めているうちに、(歌舞伎町界隈を中心とする、民族の坩堝での民族問題を題材にして、そこでの人間模様かとも思いましたが)なんかニューハーフの心情を描いた作品になってしまっているような気がしました。「タマゴ」というニューハーフが子供を授かりジ・エンド。わたしは、ヤン・ソギルの「夜を賭けて」で彼にはまってしまった者です。チョット期待はずれの作品になってしまいました。(それほど、彼の作品を読み込んでいませんが、ある人からは、彼の作品は、誰が主人公かわからず、話が飛んでしまうとは聞いたいましたが。それも彼独特の作風かなとも思います。)
次は、ヤン・ソギルを作家デビューに導いた作品。「月はどっちにでていた」で映画化された
作品の「タクシー狂躁曲」を読んでみます。
- 作者: 梁石日
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日産ノートでの高速走行
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ただ、純正カーナビの設置するところが、物入れになっているのがイマイチですが。