ヤン・ソギルの最新作カオスの感想

 期待に胸を膨らませて「カオス」を一気に読み終えました。大変面白く読ませてもらいました。
 しかしカオスという哲学用語からして、かなり奥の深い作品かと思っていましたが、ハードボイルドかと思い読み進めているうちに、(歌舞伎町界隈を中心とする、民族の坩堝での民族問題を題材にして、そこでの人間模様かとも思いましたが)なんかニューハーフの心情を描いた作品になってしまっているような気がしました。「タマゴ」というニューハーフが子供を授かりジ・エンド。わたしは、ヤン・ソギルの「夜を賭けて」で彼にはまってしまった者です。チョット期待はずれの作品になってしまいました。(それほど、彼の作品を読み込んでいませんが、ある人からは、彼の作品は、誰が主人公かわからず、話が飛んでしまうとは聞いたいましたが。それも彼独特の作風かなとも思います。)
 次は、ヤン・ソギルを作家デビューに導いた作品。「月はどっちにでていた」で映画化された
作品の「タクシー狂躁曲」を読んでみます。

タクシー狂躁曲 (ちくま文庫)

タクシー狂躁曲 (ちくま文庫)